猫の習性を理解してより深い絆を手に入れよう

猫って不思議な動物だと思いませんか。世間では「わがままで気まぐれ」というイメージがあるようですが、私は「賢い動物」というイメージがあります。猫の習性を理解して接することで深い絆が手に入るでしょう。

まず、猫はネコ科の動物で、あんなに可愛いけれど肉食獣です。ネコ科の動物には、ライオン・チーター・トラ・ヒョウなどがいます。どれもどう猛な動物なので、猫とはまったく違うように見えるかもしれませんが、よく観察してみてください。動作はまったく同じですよ。ライオンを除くネコ科の動物は基本単独で行動します。(まれに親子や兄弟で一緒に行動する場合もあります)そして狩りをする動物なため、体臭はほとんどありません。体臭があると狩りをするとき、獲物に自分の存在がバレるからとも言われています。犬の祖先はオオカミで群れで行動するため獣独特の体臭があります。体臭がないため、家で飼うのにはとても適しているわけですね。

そして、猫はとてもきれい好きな動物です。食事の時も口のまわりはまず汚れません。誤ってついてしまったときもすぐに毛づくろいでキレイにそうじをします。トイレのあとも砂を使ってキレイに埋めてしまいます。猫は暇さえあれば毛づくろいをしているので、完全室内飼いの場合、お風呂に入れる必要はほとんどないですね。毛づくろいは、体のそうじのほかに、リラックスしたいときにもおこないます。そのほか、体温調節としても毛づくろいをするようです。

猫は、毛玉を吐きます。猫の舌でなめられるとザラザラしていると思った人もいるかもしれません。猫の舌は拡大すると、小さな突起がたくさんあり、クシ状になっています。この舌を使って毛づくろいをします。舌についた自分の毛を飲み込んでしまうため、消化しきれない毛玉を吐くことになるんですね。そのほか、猫は食事でほとんどのものを丸のみしてしまいます。丸のみして消化しきれなかったものもたまに吐くことがあります。猫が急に「オウッオウッ、ゲェ~ッ」と吐いてしまうと飼い主としては焦るでしょうが、吐いたものをよく観察してください。毛玉なのか、食べたものをそのまま吐いてしまっているのかなど。必要に応じて病院に連れて行ってあげましょう。冬毛から夏毛にはえかわる春先は、お腹に毛がたまりやすいので、こまめにブラッシングしてあげるようにしてください。

猫は自分のなわばりが必要な動物です。たとえ室内飼いであっても自分のなわばりを持っています。特に多頭飼いの場合は、それぞれに自分のなわばりが決まっているはずです。それぞれのなわばりに快適な寝床をつくってあげるのが望ましいですね。

猫は爪を研ぐ動物です。これは古くなった爪をはがすということと、爪からでる汗腺を爪とぎのときにつけているといわれています。すなわち自分のにおい付けですね。爪とぎは必ずするので、爪を研がれたくない場所には、透明の防止用フィルムを貼るなどして保護するようにしましょう。最近は段ボールの素材でできた爪とぎなどがたくさん販売されているので、爪とぎをする場所や猫の通り道に置いてあげましょう。快適な爪とぎ場を見つけたら、必ずそこでやるようになります。

このように、猫には習性があります。習性をしっかり理解して猫と接するようにしてください。猫の習性を知った上で接することで、人間との絆はどんどん深まります。猫は、自分の面倒をみてくれている人間のことを母猫だと思っています。母猫である人間に心をひらくと、これでもかってぐらい甘えてくれますよ。逆に習性を理解せず接していると、猫にとってストレスとなり、凶暴化する場合もあるので注意してくださいね。