外にでたい?室内飼いだとかわいそうな気がするんだけど

ノラ猫を見ていると、好きなところへ出かけたり、陽だまりでお昼寝したり、木の上に登ったり自由奔放に生きているように見えますよね。猫を飼おうと思ったとき、「家の中に閉じ込めておくのは可哀想だし、外へ自由にでられるようにしたほうがいいのかな」と、考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、この考えは大きな間違いです。猫にとって外は危険がいっぱいです。

猫が車にひかれて死んでいるところを見たことはないでしょうか。猫にとって車は凶器です。車が危ないものだということを理解していればいいのですが、残念ながら理解はしていません。しかも猫目線で車が走ってくるのが見えたとしても、あれだけスピードがでているとは理解できていないので、たいていの場合目測を誤ります。まだ遠くにいるから大丈夫だと判断して道路を横断しようとします。結果はわかりますよね。車にひかれた猫は、自分にいったい何が起きたのかわからないまま命が尽きたことでしょう。

交通事故だけではありません。世の中には悲しいかな、猫嫌いの人はたくさんいます。庭にオシッコをしたと言って殺す人もいるわけですよ。残念な話ですが、猫の虐待も毎年のように起きていますよね。猫虐待のニュースを見るたびに悲しい思いをしている人はたくさんいるでしょうね。それだけでありません。ノラ猫同士のなわばり争いで喧嘩となり、ケガをしたり、傷口から病気が感染したり、へたすれば死んでしまうこともあるわけですよ。

そして、外に散歩にだしていた猫が必ず帰ってくるとは言えません。知らない土地では迷子になって帰って来られない場合もあります。なわばり争いで、知らない猫に追いかけられて遠くまで逃げてしまい、自分の家がわからなくなってしまったり、トラックの積み荷で寝ていて気が付いたら知らないところまで来ていた、など理由はさまざまです。

室内飼いの猫は可哀想なのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。危険な外にさらされるより、危険のない家の中で暮らすほうが猫にとっては幸せなんです。家の中は車も走ってないし、知らない猫もいません。それどころか自分専用のベッドがあって、美味しい食事がもらえて、信頼できる飼い主がいる。こんな幸せなことはないはずです。可哀想だと思うのは人間の勝手な思い込みだと覚えておいてください。

家の中では、オモチャを使って運動不足やストレスを解消してあげるようにしましょう。外を見える窓枠にキャットタワーや台を置いて、外の景色が見えるようにしておくのも大事ですね。猫は外の空気が好きだし、外にいる鳥や虫を見るのも大好きです。元々猫は、「快適な場所を見つける天才」と言われるほど、自分にとって快適なところを見つけ出すのが得意な動物です。夏は涼しいところ、冬は暖かいところをちゃんと自分で見つけるので安心してください。そして猫は広さよりも上下運動が必要な動物なので、キャットタワーなどで上り下りできる空間をつくってあげるようにしてください。

猫のことを思うのなら、絶対に室内飼いにしてください。「自由に散歩させてあげたい」なんて思いは捨てましょう。自由に散歩できても、交通事故などの危険と背中合わせだということを忘れてはいけませんよ。「散歩に行ったままの猫が帰って来ない」というのはよく聞きます。「帰って来ない」のではなく、「帰って来られない」事情が猫にあるのではないでしょうか。猫にしてみれば「帰りたいのに帰れない」わけですから、こんなに可哀想なことはないですよね。そうならないためにも、猫を飼うと決めたら「完全室内飼い」にすべきです。