近所にいっぱいノラ猫がいる!ノラ猫との上手な付き合い方

猫が好きな人は可愛い姿を見ているだけで癒されるでしょうが、残念ながら猫嫌いの人がいるのも現実です。猫嫌いの人は、「自分ちの庭に糞尿されるのが迷惑」「大きな声で鳴く」など理由はあるようですね。もちろんオシッコやウンチをされてしまうとニオイも迷惑だし、夜中に大声で鳴いたり、喧嘩も確かに迷惑でしょう。

ただ、理解してほしいのは、ノラ猫は人間がつくりだしたものです。飼っていた猫を捨てたりする人がいたために、繁殖して増えたと思ってください。猫たちに責任はありません。猫たちだって一生懸命生きていることを理解してもらいたいですね。猫たちは人間みたいに欲はまったくありません。ただ生きるために食べ物を探して、生きているからこそ排泄もする。ただそれだけなんです。

ではこうしたノラ猫たちとうまく共存する方法はないのでしょうか。まず餌付けです。ノラ猫がかわいそうだからと餌付けするのはあまり好ましくありません。一度あげてしまったら最後まで面倒をみる覚悟で餌付けするようにしてください。猫は一度エサをもらったところにはまたやってきます。美味しいものをくれたところは覚えています。一時の気まぐれであげたりあげなかったりするのは猫にとっても残酷なことです。

ノラ猫の寿命は3~5年といわれています。自然の中で暮らすのは厳しいようです。十分な栄養もとれないし、病気になるリスクも高い、交通事故にあう可能性も大きいでしょう。産まれた子猫も自然界の中では半分も生存率はありません。強い子だけが残る自然淘汰の世界に生きているわけです。

地域から完全にノラ猫をなくしてしまうのは不可能です。その地域の猫がいなくなったとしても、また違う地域から猫はやってくるでしょう。猫を処分するという考えは絶対にNGです。猫がいなくなると、その地域はネズミの被害がでてくるはずです。人間が生活するうえで、猫の存在が役に立っていることも理解しておきましょう。

猫とうまく共存している地域もたくさんあります。ノラ猫を増やさないために、去勢手術や不妊手術をしたり、子猫は里親を探したりするような取り組みをしているところもあります。地域にもよりますが、去勢手術済みのオスは右耳を、不妊手術済みのメスは左耳をV字にカットされています。手術をした猫は発情しないため、大声で鳴くこともないし、子猫が増えることもありません。ノラ猫たちにエサをあげる取り組みもあちこちではじまっています。猫がゴミをあさるのはお腹が空いているのが理由。エサを定期的にあげることで猫はゴミをあさりません。猫は賢いので、お腹がいっぱいになったらエサをあさる必要がないことを理解しているし、ゴミより美味しいエサのほうがいいってこともちゃんとわかっています。

猫はキレイ好きな動物で有名ですよね。自分の餌場では絶対にトイレをしません。すなわち餌付けをしている家ではトイレをしないということなんですね。そしてなぜだか猫嫌いのお宅でトイレをする確率が高いようです。一度されてしまうと、自分のニオイをつけようと違う猫がトイレをして・・・の繰り返しで、ノラ猫の公衆トイレ化している可能性があります。トイレの被害に遭っているお宅は、猫を何とかしようとするのではなく、人間の知恵で猫を入れないよう工夫するしかありません。柵をつける、猫が歩けないように突起上のマットをひいておく、などです。

猫は人間に危害を与えることはありません。猫とうまく共存することで、人間も猫も幸せになれるはずです。猫も一生懸命生きていることを覚えておいてください。