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猫の習性を理解してより深い絆を手に入れよう

猫って不思議な動物だと思いませんか。世間では「わがままで気まぐれ」というイメージがあるようですが、私は「賢い動物」というイメージがあります。猫の習性を理解して接することで深い絆が手に入るでしょう。

まず、猫はネコ科の動物で、あんなに可愛いけれど肉食獣です。ネコ科の動物には、ライオン・チーター・トラ・ヒョウなどがいます。どれもどう猛な動物なので、猫とはまったく違うように見えるかもしれませんが、よく観察してみてください。動作はまったく同じですよ。ライオンを除くネコ科の動物は基本単独で行動します。(まれに親子や兄弟で一緒に行動する場合もあります)そして狩りをする動物なため、体臭はほとんどありません。体臭があると狩りをするとき、獲物に自分の存在がバレるからとも言われています。犬の祖先はオオカミで群れで行動するため獣独特の体臭があります。体臭がないため、家で飼うのにはとても適しているわけですね。

そして、猫はとてもきれい好きな動物です。食事の時も口のまわりはまず汚れません。誤ってついてしまったときもすぐに毛づくろいでキレイにそうじをします。トイレのあとも砂を使ってキレイに埋めてしまいます。猫は暇さえあれば毛づくろいをしているので、完全室内飼いの場合、お風呂に入れる必要はほとんどないですね。毛づくろいは、体のそうじのほかに、リラックスしたいときにもおこないます。そのほか、体温調節としても毛づくろいをするようです。

猫は、毛玉を吐きます。猫の舌でなめられるとザラザラしていると思った人もいるかもしれません。猫の舌は拡大すると、小さな突起がたくさんあり、クシ状になっています。この舌を使って毛づくろいをします。舌についた自分の毛を飲み込んでしまうため、消化しきれない毛玉を吐くことになるんですね。そのほか、猫は食事でほとんどのものを丸のみしてしまいます。丸のみして消化しきれなかったものもたまに吐くことがあります。猫が急に「オウッオウッ、ゲェ~ッ」と吐いてしまうと飼い主としては焦るでしょうが、吐いたものをよく観察してください。毛玉なのか、食べたものをそのまま吐いてしまっているのかなど。必要に応じて病院に連れて行ってあげましょう。冬毛から夏毛にはえかわる春先は、お腹に毛がたまりやすいので、こまめにブラッシングしてあげるようにしてください。

猫は自分のなわばりが必要な動物です。たとえ室内飼いであっても自分のなわばりを持っています。特に多頭飼いの場合は、それぞれに自分のなわばりが決まっているはずです。それぞれのなわばりに快適な寝床をつくってあげるのが望ましいですね。

猫は爪を研ぐ動物です。これは古くなった爪をはがすということと、爪からでる汗腺を爪とぎのときにつけているといわれています。すなわち自分のにおい付けですね。爪とぎは必ずするので、爪を研がれたくない場所には、透明の防止用フィルムを貼るなどして保護するようにしましょう。最近は段ボールの素材でできた爪とぎなどがたくさん販売されているので、爪とぎをする場所や猫の通り道に置いてあげましょう。快適な爪とぎ場を見つけたら、必ずそこでやるようになります。

このように、猫には習性があります。習性をしっかり理解して猫と接するようにしてください。猫の習性を知った上で接することで、人間との絆はどんどん深まります。猫は、自分の面倒をみてくれている人間のことを母猫だと思っています。母猫である人間に心をひらくと、これでもかってぐらい甘えてくれますよ。逆に習性を理解せず接していると、猫にとってストレスとなり、凶暴化する場合もあるので注意してくださいね。

外にでたい?室内飼いだとかわいそうな気がするんだけど

ノラ猫を見ていると、好きなところへ出かけたり、陽だまりでお昼寝したり、木の上に登ったり自由奔放に生きているように見えますよね。猫を飼おうと思ったとき、「家の中に閉じ込めておくのは可哀想だし、外へ自由にでられるようにしたほうがいいのかな」と、考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、この考えは大きな間違いです。猫にとって外は危険がいっぱいです。

猫が車にひかれて死んでいるところを見たことはないでしょうか。猫にとって車は凶器です。車が危ないものだということを理解していればいいのですが、残念ながら理解はしていません。しかも猫目線で車が走ってくるのが見えたとしても、あれだけスピードがでているとは理解できていないので、たいていの場合目測を誤ります。まだ遠くにいるから大丈夫だと判断して道路を横断しようとします。結果はわかりますよね。車にひかれた猫は、自分にいったい何が起きたのかわからないまま命が尽きたことでしょう。

交通事故だけではありません。世の中には悲しいかな、猫嫌いの人はたくさんいます。庭にオシッコをしたと言って殺す人もいるわけですよ。残念な話ですが、猫の虐待も毎年のように起きていますよね。猫虐待のニュースを見るたびに悲しい思いをしている人はたくさんいるでしょうね。それだけでありません。ノラ猫同士のなわばり争いで喧嘩となり、ケガをしたり、傷口から病気が感染したり、へたすれば死んでしまうこともあるわけですよ。

そして、外に散歩にだしていた猫が必ず帰ってくるとは言えません。知らない土地では迷子になって帰って来られない場合もあります。なわばり争いで、知らない猫に追いかけられて遠くまで逃げてしまい、自分の家がわからなくなってしまったり、トラックの積み荷で寝ていて気が付いたら知らないところまで来ていた、など理由はさまざまです。

室内飼いの猫は可哀想なのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。危険な外にさらされるより、危険のない家の中で暮らすほうが猫にとっては幸せなんです。家の中は車も走ってないし、知らない猫もいません。それどころか自分専用のベッドがあって、美味しい食事がもらえて、信頼できる飼い主がいる。こんな幸せなことはないはずです。可哀想だと思うのは人間の勝手な思い込みだと覚えておいてください。

家の中では、オモチャを使って運動不足やストレスを解消してあげるようにしましょう。外を見える窓枠にキャットタワーや台を置いて、外の景色が見えるようにしておくのも大事ですね。猫は外の空気が好きだし、外にいる鳥や虫を見るのも大好きです。元々猫は、「快適な場所を見つける天才」と言われるほど、自分にとって快適なところを見つけ出すのが得意な動物です。夏は涼しいところ、冬は暖かいところをちゃんと自分で見つけるので安心してください。そして猫は広さよりも上下運動が必要な動物なので、キャットタワーなどで上り下りできる空間をつくってあげるようにしてください。

猫のことを思うのなら、絶対に室内飼いにしてください。「自由に散歩させてあげたい」なんて思いは捨てましょう。自由に散歩できても、交通事故などの危険と背中合わせだということを忘れてはいけませんよ。「散歩に行ったままの猫が帰って来ない」というのはよく聞きます。「帰って来ない」のではなく、「帰って来られない」事情が猫にあるのではないでしょうか。猫にしてみれば「帰りたいのに帰れない」わけですから、こんなに可哀想なことはないですよね。そうならないためにも、猫を飼うと決めたら「完全室内飼い」にすべきです。

猫と生活するためのコツが知りたい

猫を飼おうと決めたはいいけど、どうすればいいのか悩んでいる人もいるかもしれません。猫と一緒に生活するための何かコツはないのでしょうか!コツ、ありますよ。意外と簡単です。猫の習性を理解すればすぐにわかります!

まず、人間も猫も快適に暮らせる空間をつくることが大事ですね。人間が住んでいる空間に猫がやってくるわけですから、まずは猫にとってストレスにならず、安心していられる場所を提供してあげましょう。猫はうるさいのが苦手です。例えば子供がいるおうちなら、子供の友達が遊びに来て、ワーワー騒がしい場所と猫を一緒にするのはやめましょう。なるべく猫が静かにできる空間をつくってあげることです。猫は一日の大半を寝て過ごしています。安心できる寝床がなければストレスとなってしまうことを覚えておいてください。

逆に、猫を家に迎え入れたことで、人間にストレスがかかってしまうのも問題です。子猫の場合は特に気を付けるようにしましょう。乳離れしていないあまりにも小さい猫の場合だと、2~3時間おきに哺乳瓶をつかって授乳しないといけません。慣れていない人はこれだけで疲れ果ててしまうでしょう。子猫を迎え入れるのは最低でも2ヶ月くらいたって、離乳食が食べられるようになってからのほうがいいでしょう。

猫と暮らす大きなコツは、猫の好きなようにさせてやるということです。猫は元々単独で生活する習性があるため、放っておいてもさほど問題はありません。もちろん食事やトイレの掃除など最低限の世話は必要ですよ。逆にいつもべったりされると嫌がります。子猫から飼い始めて、母猫だと思われている場合は、どこに行くのもついてくる、なんてこともありますけどね。

猫はかまってほしいときや、遊んでほしいときは自分からアピールをしてきます。一緒に暮らしていると、猫が何を求めているのか理解できるようになるので、「遊んでアピール」があったら全力で遊んであげましょう。猫は何時間も遊ぶ動物ではありません。ある程度遊んでもらって自分が満足したらさっさと次の行動にうつります。たいていの場合は、お気に入りの寝床に行って寝るか、お気に入りの場所でくつろぐなどですね。家の中には、外が見られるよう、窓辺にキャットタワーや窓枠の高さに合わせた台を置いてあげましょう。このようなお気に入りの場所がいくつかあることで、猫は自分の好きな場所でくつろぎます。くつろいでいるときは誰にも邪魔されたくないはずです。

寒くなったらコタツの中に入ったり、寝ている布団の中に入ってくることもあります。暑いときは涼しいフローリングの床の上でダラ~っと伸びていることもあるでしょう。人間から見たら「なんでそんなところで寝てるの?」って不思議に思うかもしれませんが、猫にとってはいちばん快適な場所なんですね。ムリに違う場所へ移動させたりせず、好きなようにさせてあげてください。

猫と生活するコツは、とにかくかまいすぎないこと。好きにさせておくこと。ぶっちゃけ放置していてかまいません。そのかわり、何かをアピールしてきたらそれには全力で応えてあげること、です。猫のアピールが何なのかは一緒に暮らしていくうちにだんだんと理解できるようになります。お腹が空いているのか、遊んでほしいのか、なでてほしいのか、一緒に添い寝してほしいのか、表情や鳴き声、行動などですぐにわかるようになります。猫にとっても人間にとってもストレスになることのないよう、コツを覚えて楽しい猫生活を送ってください!

危険!猫に与えてはいけないものを知ろう

猫はネコ科の動物で、もちろん人間とは違います。人間と一緒に生活していると、つい人間の食べるものをあげてしまいがちですが、人間には栄養があって美味しいものでも猫にとってはNGなものがたくさんあります。猫に与えると危険なモノ、あまりよろしくないモノをきちんと理解し、与えないようにしましょう!

絶対にNGなのは、人間の薬やサプリメントです。風邪っぽいから、下痢気味だからといって人間が飲む薬は絶対にあげてはいけません。小さい体の猫にとって劇薬となりかねないので注意してください。人間の健康にいいとされているサプリメントも同じです。人間用に開発されたものなので、小さな体の猫にとっては健康どころか、逆に負担にもなりかねません。人間の薬やサプリメントはあくまでも人間用であることを覚えておいてください。

人間の食べ物の中にも危険なモノはいっぱいあります。特に危険なのは、タマネギ・ニラ・ネギ・ニンニクなど、ユリ科の植物で独特のにおいのあるものです。これらのものを猫が食べると赤血球が破壊されると言われています。また、直接でなくともこれらのエキスが含まれたような食べ物(エキスが含まれたスープなど)も危険ですので注意するようにしてください。

チョコレートやココアなどのカカオ類も危険です。カカオ成分が毒素となり猫の中枢神経を刺激してしまうといわれています。甘くて美味しいから猫も好きだろうと思ってはいけません。人間にとって甘くて美味しい食べ物でも、猫にとっては毒になりかねないということを覚えておきましょう。

貝類もよくないですね。昔から「アワビを食べた猫は耳が落ちる」といわれていますが、これには立派な根拠があります。貝類に含まれる毒素が原因で、光線過敏症という症状をひきおこします。皮膚に炎症がおき、皮膚が痒くなるため猫はあちこちかきむしります。皮膚の薄い耳はかきむしることでさらに炎症がひどくなり、取れてしまうということで「耳が落ちる」と昔の人は言っていたようです。

生の豚肉や、骨のついた鶏肉、魚なども危険ですので注意が必要です。生の豚肉は、寄生虫がいるため体の小さい猫にとって人間よりも危険です。さらに猫はほとんど丸のみ状態で食べるため、鶏の骨や魚の骨はとても危険です。骨をそのまま飲み込むと、喉に刺さったり、消化器系を傷つけるおそれがあるので、絶対にあげないようにしてください。

そのほか、与えすぎるとよくないものとして、人間用のかつおぶし・煮干しなども注意しましょう。猫の大好物だし、猫にもいいだろうと思って与える人は多いようですが、人間用はマグネシウムが多く含まれているため、結石になる危険があります。与える場合は、猫用に売られているかつおぶし・煮干しを与えるようにしましょう。猫のことを考えてつくられたものなので、問題ありません。マグネシウムといえば、ミネラルウォーターもあまりよくないですね。猫が毎日飲み続けると、大量のマグネシウムを摂取してしまいかねないため、ほどほどにしたほうがいいかもしれません。

他にもいろいろありますが、とにもかくにも「人間が食べるものは与えない!」と、徹底しるようにしたほうがいいでしょう。猫のためのチーズなどおやつもバラエティに富んでいますので、「猫に与えるものは猫用」と思うようにしてあげてください。猫と人間は体の大きさも違えば、必要な栄養も違うということです。良かれと思って与えたもので猫が体調を崩しては元も子もないですよね。猫のことを考えればこそ、きちんとした猫用の食事を与えるようにしましょう。いつまでも長生きしてもらいたいですもんね。

猫にあげるごはんって何でもいいのかな

猫を飼い始めたら、食事は何をあげればいいんだろう?と、悩む人もいることでしょう。昔は「ねこまんま」といって、ごはんの上にかつおぶしをふりかけただけのものや、人間の残り物をあげていたかもしれませんが、基本的に人間が食べるものはNGですよ!人間が食べるものは、体の小さな猫にとって塩分過多になるし、甘いモノは猫の歯によくないなど、健康に害を及ぼしますので注意しましょう。

猫の食事はキャットフードをうまく利用するようにしましょう。最近は、ドライフード(いわゆるカリカリと呼ばれるもの)やウェットフード(缶詰やパウチ)など、バラエティ豊かに売られているので、いろいろなタイプのモノを試してみるといいでしょう。これらのキャットフードには、猫にとって必要な栄養がしっかり摂れるようになっています。

キャットフードの中には、「総合栄養食」と「一般食」と記載されているものがあります。「総合栄養食」は、これと水だけで猫にとって必要な栄養が摂取できるように作られたものです。「一般食」とは、これだけでは栄養は完璧ではすいけれど、たまの食事やおやつとして与えられるもの、と区分していればいいでしょう。カリカリと呼ばれるドライフードは「総合栄養食」にあたる場合が多いので、獣医さんによっては「ドライフードとお水だけで十分」という人もいますね。なるべくなら、「総合栄養食」と書かれたものを選ぶようにしたほうがいいかもしませんが、「一般食」のほうが味にバラエティがあって猫の食いつきもいいように思います。食いつきがいいから「一般食」ばかりあげるのも問題ですし、逆に考えすぎて「総合栄養食」ばかりあげる必要もないでしょう。普段は栄養の詰まった、「総合栄養食」、たまにはおやつ感覚で「一般食」というように、うまくバランスをとりながら与えるようにすればいいでしょう。

これらのキャットフードの中には、年齢を考慮して作られたものもたくさんあります。子猫のときは「子猫用」を選んであげてください。成長期の子猫には、骨や筋肉を形成するための栄養が必要となります。子猫用のフードには、これらの栄養がまんべんなく含まれていると思ってください。子猫用のフードは成長期のためのものなので、通常のフードに比べるとカロリーが高めです。いくら栄養があるからといって、1歳を過ぎた成猫に与えているとあっという間にデブ猫になってしまうので注意してくださいね!

そのほか、「運動不足気味の室内猫用」「去勢・不妊後用」「免疫力強化」「毛玉をお腹中で処理する用」「老猫用」などなど、さまざまなものがあるので、猫にあったフードを選んであげるといいでしょう。「老猫用」は、歯がない子のためにペースト状になっていたり、消化をよくするようなフードだったりします。これらの目的別フードは、ドライフード・ウェットフード、どちらにもあります。

ちなみに「猫は好き嫌いが激しい」という人もいますが、必ずというわけではありません。猫に限ったことではなく、それこそ人間と一緒でなんでも食べる人もいれば、好き嫌いが激しい人もいるのと一緒ですよ。ただ、ダラダラ食いはさせないほうがいいでしょう。いつでも食べられる環境をつくってしまうと、好き嫌いが激しくなる傾向があるようです。ドライフードを置きっぱなしにしておくと、においが飛ぶのでそのうち猫も食べなくなります。そのうち開けたてのフードしか食べなくなってしまいますので注意しましょう!

それぞれの猫のために考えられたフードがたくさんあるので、ぜひいろいろ試してみてください!そして、決まった時間に決められた分量のみをあげるようにしてくださいね。

子猫を飼うときに注意しないといけないこと

猫を飼おうと決めたとき、子猫から飼おうと考える人は多いでしょう。確かに子猫のうちから一緒に生活することで、仲良くなれる確率がぐんと高くなります。子猫から人間に接することで、人への警戒心が薄れ、ひとなつこい猫に成長するため、猫との距離を縮めたい人は子猫から迎え入れることをおすすめします。もちろん成猫でも根気よく世話をしてあげれば心は許してくれますが、猫は幼少期の記憶がなかなか抜けないと言われています。子猫のうちに屋外でノラ生活をしてしまうと、人間への警戒心や恐怖心が多少は残ることになるでしょうね。

ただし、子猫といっても生まれたばかりの子猫は育てるのが大変なので注意してください。まだ乳離れしていない子猫は、人間が哺乳瓶を使ってミルクをあげないといけません。しかも2~3時間おきにあげないといけないので、外出もままならず人間が世話に疲れてしまうでしょう。母猫の母乳は子猫にとって最高の栄養源です。母乳で育てば免疫力のついた元気な子に育つといわれています。乳離れし、離乳食を食べるようになった2ヶ月前後の子猫を迎え入れるようにしましょう。

子猫を迎え入れるとき、どこかから貰い受けるか、ペットショップで購入することになると思いますが、連れてくるときの移動にまず注意しましょう。子猫はそれまで母猫や兄弟たちと一緒にいたはずです。いきなり一匹だけ離されて、知らないところに連れてこられるわけですから、恐怖心がいっぱいのはずです。しかも連れて行かれた先は知らない人ばかりで緊張するはずですよね。まず、連れてくるときですが、かならず鍵のかかるキャリーバッグに入れて運ぶようにしましょう。電車や車で移動させる場合は、乗り物酔いしないよう、出発の2時間前くらいは食事を取らせないようにしてください。キャリーバッグをひざの上に乗せて、揺れを抑えるようにしてあげてください。子猫は自分のにおいがついたものがあると安心できるので、キャリーバッグの中に子猫が使っていたタオルなどを入れてあげるようにしましょう。

家に着いたら、ウロウロ歩き出してあちこち観察をはじめるでしょうが、そのまま好きなようにさせてあげてください。新しいところを子猫なりに観察して落ち着こうとしているはずなので、ムリに抱っこしたりしないようにしましょう。子猫が落ち着ける場所を確保するのも大事です。静かなところにベッドを作ってあげて、子猫が使っていたタオルを置いてあげると自然とそこで寝るはずです。

ソワソワしだしたら、トイレに連れて行ってあげましょう。そっとトイレの砂の上においてあげると自然とオシッコをするはずです。一度トイレを覚えたら猫の習性で粗相をする確率はかなり低いでしょう。次からは自分でトイレに行くはずです。ウンチを何日もしない場合は、濡らしたキッチンペーパーでおしりを刺激してあげてください。子猫は親猫からおしりを刺激されてウンチをしていたため、母猫の代わりにキッチンペーパーで刺激してあげるようにしてください。何度かやっているうちに自然と自分でしてくれるようになります。

子猫が家にやってくると、あまりの可愛さにみんなでさわったり抱っこしたりしたくなりますが、落ち着くまではそっとしておいてあげましょう。子猫にしてみれば、知らないところにいきなり連れてこられて、知らない人ばかりでストレスが最高潮のはずです。ただ、子猫なので、慣れるのもそんなに時間はかかりません。子猫が自分から寄ってきてくれるまで、そっとしておいてあげるのが子猫にとっていちばんのリラックスになるはずです。

猫を飼うために用意するものってなんだろう

猫を飼おう!と決めたら、用意するものがあります。いきなり猫を家に連れてきても、必要なグッズがそろってないと、猫も困ってしまうので、猫がやってくる前に揃えておきましょう。必ず必要になるのが、キャリーバッグ・トイレ・トイレ用の砂・キャットフード・食器・ベッドです。そのほか、少しずつそろえるといいモノとして、首輪(迷子札)・ブラシ・爪切り・爪とぎ・オモチャなどがあります。

キャリーバッグは、まず家に連れてくるときに必要となるし、病院へ連れて行ったりするときも必要なので必ず用意しておきましょう。段ボールなどで代用する人もいますが、外にだしたときに猫がパニックを起こして逃げてしまうこともあります。危険を避けるためにも必ず鍵のついたしっかりしたキャリーバッグを選ぶようにしてください。

トイレも必需品です。猫は大変きれい好きな動物なため、トイレ以外で粗相をすることはまずありません。ただし、トイレが汚れていたり、自分の気に入るトイレでない場合は、粗相することもあるようです。猫は自分のオシッコやウンチを隠す習性があるので、トイレ用の砂がいちばんいいかもしれません。トイレ用の砂は、オシッコが瞬時に固まって掃除しやすいし、消臭効果のあるものもたくさんあります。人間のトイレに流せるペーパーを丸めたようなタイプもありますが、オシッコが固まらないのと、軽いため飛び散りやすいという難点があります。トイレに直接シートを敷くタイプもありますが、猫の習性からするとやはり自分の汚物を隠せる砂タイプがいちばんいいようですね。

猫の食事は、人間のものを与えるのではなく、キャットフードをうまく利用してください。たくさんの種類が売られていますが、子猫用やシニア用など年齢に応じて分かれているので、猫に合ったものを選べばいいでしょう。ドライタイプとウェットタイプ(缶詰やパウチ)があるので、いろいろ試して猫の好みを知ってください。フードを入れる食器は、あまり軽いものだと猫が押してしまい、食べづらいため、ある程度重いものにしてあげてください。もちろんフードと一緒に新鮮なお水を常に用意してあげるようにしましょう。

ベッドは、猫が安心して寝ることができるものを選んであげてください。最近は、ペットショップに可愛いベッドがたくさん売られています。そしてベッドは猫が安心して寝られるよう落ち着いた場所に置いてあげるようにしてください。猫はほとんどの時間寝て過ごします。安心した寝床があることではじめての場所でもリラックスできるはずです。

室内飼いの場合、首輪は必要ないと思うかもしれませんが、何かの拍子に脱走してしまうことも絶対ないとは言い切れません。そんなとき首輪に迷子札がついていれば、見つけた人が連絡してくれる可能性は高いです。念のためつけておいたほうがいいでしょう。爪とぎや爪切りも徐々にそろえてあげましょう。そのかほ、オモチャも必要ですね。室内にいると運動不足になりがちなので、オモチャを使って遊んであげましょう。猫は、走り回るより、上下運動が大事なので、キャットタワーなどをうまく利用して、上り下りができる場所を作ってあげてください。

猫用のグッズはもちろん必要ですが、いちばん必要なのは、猫と一緒にいる時間です。仕事をして昼間家にいない人でも、一日のうち猫を過ごす時間を用意してあげてください。人間と暮らしはじめた猫は、猫は飼い主のことを母親と思うようになります。母親からの愛情で思い切り甘やかせてあげてください。

猫はペットショップで買うしか方法はないの

猫を飼おうと思ったとしても、自分の家の周りにノラ猫はいないし・・・ペットショップでお金をだして買うしかないのでしょうか。確かにマンションなど高層の建物に住んでいると、ノラ猫と出会う確率はあまり高くありませんね。一戸建ての家や、マンションでも1Fに住んでいる人とならノラ猫が遊びに来る可能性はあるでしょう。

ペットショップで気に入った子猫を見つけるのもひとつの手ですが、個人的にはノラ猫に手を差し伸べてあげてもらいたいですね。ペットショップの血統書がついた猫も、ノラ猫として産まれた猫も同じ命です。最近では、「猫の里親探し」のような掲示板がネットにたくさん掲載されていますので、ぜひ参考にしてください。そのほか、動物病院に貼り紙がしてあってりするので、問い合わせてみるのも手ですよ。

私もノラ猫の子猫を5匹保護した経験があります。子猫たちの写真付の貼り紙を作って、近所の動物病院に貼らせてもらいました。飛び込みでお願いしたのですが、断られた動物病院は一件もありませんでしたね。どこも快く引き受けてくれて嬉しかった記憶があります。それ以外にもネットの掲示板で、里親になりたいという人に連絡して里親さんを見つけました。5匹ともいい里親さんに引き取られてみんな幸せに暮らしていますよ。

そして探す時期も大事ですね。猫は春先に子供が産まれる確率が高いので、その少し前あたりからいろいろ声をかけておくのもいいかもしれません。冬の寒い時期は子供を産んでも育たないと本能でわかっているんでしょうね。

子猫をもらいうけるときの注意事項としては、あまりにも産まれたての子猫は世話が大変なので、2ヶ月くらい経ってからもらいうけるようにしましょう。完全に離乳食になってから引き取るほうがいいでしょう。まだ乳離れいていない子猫は、人間が2~3時間おきぐらいに哺乳瓶でミルクを与えないといけないので手間と時間がかかってしまい大変です。さらに、母猫の母乳は栄養豊富なので、母乳をもらえなかった子猫は免疫力がつかないため、体が弱くなることもあります。最低でも2ヶ月くらいは母猫の母乳で育てた子猫を引き取るようにしましょう。

猫は模様はさまざまで、しっぽの長い子もいれば短い子もいるし、途中で曲がったカギしっぽの子もいます。何を基準に選べばいいのか迷うところですが、「真っ黒の子」など、自分のこだわりがある場合は、その条件で探すのがいいでしょうね。オスかメスで選んでもいいと思います。猫のオスは成長すると、顔が真ん丸になって体格も大きな子が多いですが、メスはオスに比べて比較的小さい子が多いようですね。もちろん例外はたくさんあるので、必ずではありません。メス猫でも大きく成長する子はたくさんいます。こればっかりは育ててみないとわからないという楽しみでもありますよね。

性格は人間と一緒でそれこそさまざまです。小さいころから人見知りせず、誰にでもなつく子もいれば、神経質な子もいるし、天然ボケの子もいれば、どんくさい子など、みんな性格が違っていて面白いですよ。ただし、完全に人間に慣らしたい場合は、生後3ヶ月くらいまでに引き取るようにしましょう。子猫のうちから人間と一緒に暮らしていれば、猫との間に信頼関係がうまれやすくなり、人間に対して心から信頼してくれるようになります。成猫になってから人間と暮らすようになった猫は、やはり人間への警戒心が取れにくいようです。

猫と仲良くなりたい!どうすれば仲良くなれるの

猫と仲良くなりたいのに、どうも避けられちゃって寂しい思いをしている人もいるのではないでしょうか。猫と仲良くするには、まず嫌われるようなことをしないのが最低限の条件です。猫を呼ぶときに大声で呼んだり、いきなり大きな物音をたてたり、ビックリさせるようなことをしていたらそりゃ~避けられますから注意してくださいね。

飼いはじめた猫に対しては、あまりに可愛いからといってかまいすぎないこと。猫が寝ているときやリラックスしているときに、いじくりまわしたり、抱っこしたりするのは、猫にとってはいい迷惑です。猫はかまってほしいときは自分からアピールしてきます。アピールしてきたときはめいっぱいかまってあげましょう。猫に対しても「かまい時」を見極めるのも仲良くなる近道ですよ。

猫は、自分の面倒を見てくれている人に対して心を開きます。例えば、食事の用意をしてくれる人、遊んでくれる人、トイレの片づけしてくれる人、などをよく観察しています。こういった世話をしてくれている人とは仲良くしてくれます。自分の面倒をみないで、気が向いたときだけかまってくる人に対してはあまり心を開いてくれないので要注意ですよ。猫は賢いので、食事の時間になるとスリスリ甘えてくるようになります。猫の食事を用意するところに人間が移動すると、もう大騒ぎ!「ごはんちょーだい!」とでも言っているかのように寄ってきます。食事が終わると、何事もなかったかのように自分のリラックスできる位置に移動して、毛づくろいをはじめます。

キレイ好きの猫にとって、トイレをきちんと片づけてくれる人も信頼されます。猫の性格にもよりますが、我が家の猫は、トイレが汚いままだと「早く片付けて!きれいにして!」と、アピールしてきます。私の周りをウロウロしだして、すれ違いざまにチラっとこちらを見ます。その行動で「あ、トイレを片付けなきゃ」と思うくらいですよ。

猫と一緒に遊ぶのはとても大事なことですね。ただし、猫は自分が遊んでほしいときにだけ遊んでくれればいいという考えなので、アピールしてきたら遊んであげてください。寝ているときやかまってほしくない時は逆効果になるので注意が必要ですよ。アピールは猫それぞれですが、一緒に暮らしていると何を訴えているのかすぐにわかるようになります。ボールを手でちょんちょんとつついたり、猫じゃらしをくわえてもってきたりするので、「遊んでアピール」がでたら思いきりあそんであげましょう!

このように、猫は自分の世話をしてくれる人に対して信頼関係を築こうとします。猫との信頼関係が築けると、すぐに仲良くなれるはずです。猫が「この人は安心だ」と理解すれば、そのうち「さわっていいよ」「抱っこしてもいいよ」と許可がでるでしょう。ここまできたらもうこっちのものです!猫と仲良くなったも同然なので、なでたり抱っこしたりしてみましょう。プニプニの肉球をさわらせてくれたり、モフモフの毛をなでさせてもらえます。ただし、すぐに仲良くしようとせず、時間をかけてじっくり信頼関係を築いてください。子猫とは比較的すぐに仲良くなれますが、ノラ猫だった期間が長ければ長いほど、信頼関係を築くには時間がかかります。焦らずじっくり、少しずつですよ。必ず信頼関係は得られるので慌てないことです。

猫と仲良くするというのは、人間同士の気遣いに似ているかもしれません。人間同士は相手のことを考えて行動しますよね。付き合いを円滑にするために、相手が何を考えているのか、どうしてほしいのかを自然と考えますよね。猫と仲良くできる人は、人間社会でもうまくやっていける人のような気がします。

猫に好かれる人と嫌われる人、何が違うの?

ノラ猫とばったり遭遇!誰しも一度は経験したことがあるでしょう。そんな時、シャーっと威嚇して怒られたりする人もいれば、ジーっと見つめられた後、足元をスリスリされる人もいるでしょう。怒られた人にしてみれば「目が合っただけで何もしてないのに・・・。」と思うでしょうね。同じ猫でこうも態度が違うのか!と、不思議に思うことってありませんか?猫にとって同じ人間でも、好きな人と嫌いな人がいるんですね。

では、猫に嫌われる人ってどんな人でしょう?猫は大きな音が大嫌いです。大声で話しかけられたり、大きな足音でこちらに向かってくる人は大嫌いでしょうね。ワーワー叫ぶ子供やギャーギャー泣く赤ちゃんも嫌われちゃいます。男性の低い声も猫は苦手なようです。猫にとっては、女性の高い声のほうが心地いいようですね。急におどかすようなこともしちゃいけません。ビックリして逃げちゃうので、大きな音は厳禁と心得ておきましょう。

そのほか、猫が可愛いからといってジーット目を見開いたまま見つめていませんか?ネコ科の動物は、ジーット見つめあうのは喧嘩を意味します。人間がジーット見つめてくるということは、喧嘩を吹っかけられていると思ってしまうんですね。喧嘩を吹っかけられたわけですから、シャーっと威嚇するのも当然といえば当然ですね。そして、嗅覚の優れた猫はきついニオイが苦手です。香水をぷんぷんつけている人、ニオイのきつい整髪料はもちろんのこと、柑橘系のすっぱいニオイ、肩こりやかゆみ止めのようなスーッとするニオイがする人も嫌われる可能性大です。

反対に猫に好かれる人とはどんな人でしょうか?先に挙げたような嫌われる要素を持っていない人がまず前提です。猫を見つけたからといって、急に猫目指して走り出したりしない、とにかく猫にいきなり近づかないこと。目が合ったらジーッと見つめるのではなく、ゆっくり瞬きをするか目をそらす。猫を見下ろすのではなく、猫と同じ位置までしゃがんで、静かにゆっくり近づく。この時点で猫が逃げなければ、「近くにいていいよ」と、猫のお許しがでたと思っていいでしょう。敵じゃないと判断されたはずです。

ちなみに、猫同士のあいさつは鼻と鼻をツンっとくっつけてお互いの存在を確認します。(通称:鼻つん)近くまで寄って逃げなければ、そーっと指を猫の鼻に近づけてみてください。鼻と自分の指がふれたらあいさつ成功!だと思っていいでしょう。あいさつが成功したら、人間の存在を認めてくれたことになるので、あとは静かに頭などをなでてみましょう。ここでも慌てちゃいけません。とにかくゆっくり静かに手を頭にのせてみましょう。機嫌がいい子なら、自分から頭を突き出してくるはずです。「頭なでで」と。

それだけではなく、猫にはテレパシーがあって、「猫好きの人、猫嫌いの人は勘でわかる」とも言われています。自分のことを嫌っているのか、好きなのか瞬時に判断できるようで・・・。ホントかウソはわかりませんが、なんとなく当たっているんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。自分を見つめる目で判断しているんじゃないかと思いますね。人間同士でも相手が自分に対して、敵意をもっているのか好意をもっているのか、なんとなく目でわかったりしますよね。それと同じで、この人は自分に敵意があるのか好意的なのか、動物の勘がはたらいているんじゃないかと思いますね。